MMT(現代貨幣理論)について

MMT(Modern Monetary Theory)(現代貨幣理論)ってご存じでしょうか?

経済学理論の一つであるのですが、素人ながら簡単に触れてみようと思います。

この論の主張点として次のことがあげられると思います。

①自国通貨を発行できる政府は債務不履行になることはない。
②よって、政府は財政赤字であっても適切なインフレの範囲内で財政支出をするべきである。
③税金は財源では無く、通貨流通のシステムである。
 

①について。
「国の借金が…」とか「プライマリーバランスを黒字にしないと…」と騒ぎ立てる人がいますが、これは国の借金が債務不履行になると(国民が)大変なことになるとのロジックだと思いますが、この点、財務省も明確に「債務不履行になることはない」との立場をとっています。(参照「外国格付け会社宛意見書要旨」https://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140430.htm

②について。
際限なく財政支出(通貨を発行(国債を発行))することは理論上可能ではあるのですが、通貨発行による需要の増大に供給が追い付かなければインフレーションを起こします(ある意味景気が良いと言えるのですが)ので、適切なインフレの範囲内での財政支出を行うべきであることになります。

③について。
通貨発行(国債発行)により財政支出を行えば良いわけで、財源にするために税金を徴収する必要はなく、実は徴税は通貨(日本円)必要性を担保するためにあります。日本では納税は日本円でしか行えないので日本に納税者がいる限り日本円の必要性が担保され、よって日本円が紙くずになることはありません。加えてインフレの抑制、格差の是正のためもなります。市場から通貨を吸い上げれば(増税すれば)需要は下落(景気が悪くなり)し、インフレが収まります。累進課税により徴税すれば一定程度格差を是正することになります。ただし、税は財源ではないので所得の再分配たる意義はありません。


この理論に拠ることができれば、国として現時点でいろいろな事ができるのではないかと思うのですが、どうなんでしょう。